リフォームではなく新築時に防音室を作っておくメリットとは?

サンテレビ「アサスマ! 」で防音工事の匠が紹介されました!

自宅に防音室を作るための工事については、多くの方が「リフォームで防音室を作ってもらうもの」というイメージを持っているのではないでしょうか?実際に、防音工事については、「防音リフォーム」や「防音室リフォーム」などと呼ばれることが多く、一般の方からすると、何らかの音に悩んだ時、既に完成している(生活している)住宅に対し、後からリフォームを施す工事のことと考えている人が多いように思えます。

ただ、住宅に防音室を設置する工事については、既存住宅にリフォームを施すことでしか実現できないわけではなく、新築住宅を建てる際に新築工事と並行して、あらかじめ防音室を設けておくという方法も可能なのです。実際に、コロナ禍以降は、一般住宅での防音需要が高まっていることもあり、大手ハウスメーカーが販売する建売住宅の中には、「防音室付き」であることがアピールポイントになっている住宅も増えているのです。このタイプの新築住宅は、防音室が標準装備されていることがメリットで、テレワークなどの新たな働き方が広く普及してきた昨今では、新築住宅業界でも注目される物件の形となっています。

それでは、自宅に防音室が欲しいと考えている方について、既存住宅にリフォームで防音室を用意するのではなく、新築時に防音室を作っておくという選択をした場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか?ここでは、リフォームではなく新築時に防音室を用意することで得られるメリットについて解説します。ちなみに、ここで言う防音室は、専門業者による防音工事で実現される防音室のことを指していて、ユニット型防音室の場合は、下で紹介するようなメリットは得られないと考えてください。

リフォームと新築時に作る防音室の違いについて

それでは、新築時に防音室を作っておくという方法と、既存住宅の一室をリフォームで防音室に作り変える場合、どのような違いが生じるのかについて解説していきます。それぞれの特徴を掴めば、新築時に防音室を作っておくことで得られるメリットが分かると思います。

なお、新築時に防音室を作るという方法については、注文住宅を建てるケースのことを指しています。建売住宅を購入し、入居する前に防音室を作るという方法は、確かに新築時に防音室を作るという点では同じなのですが、既に完成した住宅をフォームして防音室を作っていることになるので、この場合は防音リフォームに当たります。

ここで言う「新築時に防音室を作る」とは、注文住宅を建てる際、新築工事に並行して防音工事業者に入ってもらい、一つの部屋を防音室にするということを意味しています。なお、新築工事を担当する建築会社の中には、防音工事を並行して行うことを認めないという業者もあるので、注文住宅を建てる際に防音室をあらかじめ作っておきたいと考える人は、「防音工事を並行して実施することを認めてもらえるのか?」を事前に確認しておきましょう。

①新築であれば理想の大きなの防音室を作れる

新築時に防音室を作る場合とリフォームで防音室を実現する場合では、完成する防音室の広さに違いが出る場合があります。

リフォームで防音室を作る場合、どのような用途の防音室が必要であっても、既存の部屋の中で空き部屋になっている部屋に防音工事を施すしかありません。この場合、既存の壁や床、天井などを一度解体し、内部に吸音材や遮音材などの防音材を設置することで、高い性能を持つ防音室を作ることになるのです。つまり、防音リフォームが実施された後は、既存の部屋の壁や床と比較すると、どうしても厚みが増してしまうことになるのです。楽器演奏やホームシアターなど、本格的な防音室をリフォームで作る場合「BOX in BOX工法」と呼ばれる手法が採用されるのですが、これは部屋の中にもう一つの部屋を作り、縁切りすることで振動が伝わらないようにするという工夫が施されています。部屋の中に部屋をもう一つ作るということは、当然、工事を施す前の既存の部屋と比較すると、狭くなってしまうのです。また、振動対策もしっかりと行わなければならない防音室の場合、床や天井も2重構造になるため、最終的な部屋の天井高も低くなってしまうことになります。高性能な防音室は、圧迫感を感じることがあると言われるのですが、これは単に防音性が高いからだけでなく、天井が低くなる分、人の目線の関係で圧迫されているように感じてしまうのです。

新築時に防音室を作る場合、家の設計段階から防音室の広さを確保することができますし、このような問題が生じる心配はありません。ここでは、新築とリフォームで実現する防音室について、それぞれの特徴を簡単にまとめておくので、両者の違いをおさえておきましょう。

  • ・リフォームで実現する防音室
    リフォームで防音室を作る場合、もともとの部屋の広さから確実に狭くなります。これは、既存の壁の中に吸音材や遮音材を設置しなければならないためで、材料が充填される分、壁や床、天井がぶ厚くなるからです。楽器演奏などもできるしっかりした防音室の場合、既存の壁と比較すると、合計で25cm程度は分厚くなります。そのため、元の部屋と比較すると、1~1.5畳程度狭くなります。天井高に関しても、振動対策が必要な防音室の場合は、約30cm低くなります。
  • ・新築時に防音室を用意する場合
    新築時に防音室を作る場合、家の設計段階から防音室の仕様を決めていくことができます。もちろん、敷地面積が決まっているわけなので、際限なく広い防音室を作ることはできませんが、用途に合わせて最適な広さがあらかじめ判明するため、他の部屋をそれに合わせて設計してもらうことができます。防音室の高さに関しても、お客様の要望や音響環境を考慮しながら設計することができるので、自由度の高い防音室作りができます。

上記の通り、新築時に防音室を作っておくと言う選択の場合、お客様の利用用途に合わせて、最適な広さ、天井高の防音室を設計できるという点が大きなメリットになります。

②新築時に防音室を作れば、利便性の問題が生じにくい

二つ目の違いについては、完成した防音室の使い勝手についてです。

先程紹介した通り、既存住宅にリフォームを施すことで実現する防音室の場合、もともとあった壁の厚さが増してしまいます。ある程度性能をおさえた防音室であっても、10cm程度は分厚くなりますし、楽器演奏用など、高性能な防音室の場合は、20~30cm程度も壁がぶ厚くなるのです。そして、既存の壁がぶ厚くなってしまうと、防音室に出入りするための出入り口(扉)の可動域に影響が生じ、開け閉めする時に問題が生じるケースがあるのです。

新築とリフォーム、それぞれの防音室について、使用時の利便性に関する特徴については、以下のような感じになります。

  • ・リフォームで実現する防音室
    防音室の出入り口が部屋の角などに設置されている場合、壁がぶ厚くなってしまう分、扉の可動域が狭まってしまい、出入りのためにあけられる空間が狭くなることがあります。この場合、もともとあった扉を壊し、別の場所に移動させるといった対策が必要になることがあるのですが、そのような対策を実施するなら、防音工事とは別の部分に余計な費用がかかってしまうことになります。引き戸タイプの防音扉もありますが、防音性がやや低くなる、経年劣化による性能低下のおそれがあるといった問題があるため、高性能な防音室を求めている方の場合、このような対策で解消するのは難しく、防音リフォームにかかるコストが高くなる可能性があります。
  • ・新築時に防音室を用意する場合
    新築時に防音室を作る場合、利用するお客様が最も使いやすいと感じるような構造に一から設計することができます。そのため、扉部分の可動域に関する問題が生じるような恐れもありません。既存ドアなどはありませんし、ドアを移動させるために余計な費用がかかるといった問題も生じません。

新築時に防音室を作る場合、利用用途に合わせた性能を持つように設計するだけでなく、防音室を使用する方がストレスを感じることのない構造を一から設計していきます。そのため、全ての面において「使いやすい」と感じられるような利便性の高い防音室に作り上げることが可能です。リフォームの場合も、利便性のことを考慮することは可能ですが、「既存住宅に手を加える」という手法であることから、どうしても限界がありますし、コストもかかってしまいます。

③ネット環境の問題が生じにくい

新築時に防音室を作るメリットとして、意外に多くの方が見落としてしまっているポイントが、新築時に防音室を作れば、快適なネット環境を構築できるという点です。

まず、大前提としておさえておきたいのは、防音室は、今の時代、とても重要視されているWi-Fiとの相性が非常に悪いという点です。現在では、ほとんどの住宅のネット環境は、家の中にWi-Fiの電波を飛ばして受信するという方法が採用されていると思います。Wi-Fiは、目には見えませんが、電波として飛び交っているため、家の中にいる方であれば、問題なく電波を受信しインターネットを楽しむことができます。

しかし実は、防音室というのは、音を通さないために重たい素材で部屋を構成していて、それゆえにWi-Fiの電波が伝わりにくくなってしまうという問題があるのです。実際に、防音リフォームを実施して、本格的な防音室を作る場合、増幅器の設置や有線LANの設置などが業者側から推奨されると思います。ただ、既存住宅でリフォームを実施することで防音室を作る場合、この有線LANの引き込みに問題が生じるケースがあるのです。

この点については、以下のような感じになります。

  • ・リフォームで実現する防音室
    高性能な防音室を作る場合、Wi-Fi利用時には、電波が途切れやすくなる、速度低下が起きるなど、電波環境に問題が生じる可能性があります。そのため、スタジオ利用などを考えていて、防音室の中でも快適なネット環境が求められるというケースでは、防音室内までLANケーブルを引き込むという工事も必要になるのです。ただ、物件の構造や条件によっては、このLANケーブルの引き込みが難しい場合があるのです。この場合、電波環境を改善するためには、増幅器などを利用することになるのですが、それでも有線で繋ぐよりはネットの通信環境は悪くなると思います。
  • ・新築時に防音室を用意する場合
    新築時に防音室を作る場合、有線LANを引き込むための配線工事も、最初から想定したうえで工事が進められます。そのため、後からインターネットを契約したとしても、何の問題もなく快適なネット環境を構築することができます。

新築時に防音室を作る場合、防音室内への配線、配管工事に関しても、最初の段階で計画することができます。そのため、防音室完成後に、ネットが繋がりにくい…など、通信環境に問題が生じるといった心配がないのです。これは、意外に大きなメリットになります。

④防音工事の費用について

新築時に防音室を作るケースと、リフォームで防音室を作る場合では、防音工事にかかる費用について違いが生じます。同じ性能の防音室を作るのだから、工事にかかる費用も同じなのではないかと考えるかもしれませんが、防音工事の部分にかかる費用はリフォームの方が高くなります。

防音工事に関する費用については、それぞれ以下のような特徴があります。

  • ・リフォームで実現する防音室
    リフォームで防音室を作る場合、既存の部屋を一度解体して、防音室に作り変えるというイメージになります。先程紹介した通り、壁や床、天井を解体して、内部に吸音材や遮音材を設置する、二重の浮き構造にすることで高い防音性を発揮させるのです。つまり、リフォームの場合は、防音対策を施す前には、解体工事が必要になるのです。当然、解体によって生じた廃材は、産業廃棄物として処分しなくてはいけませんし、新築時に防音室を作る際には発生しない費用がどうしても出てくるのです。ちなみに、費用の支払いについては、現金一括で支払うか、リフォームローンを利用します。
  • ・新築時に防音室を用意する場合
    新築時に防音室を作る場合、何もないところから防音室を作り上げていくため、リフォーム時に発生する解体や廃材の処分費が必要ありません。つまり、この部分だけで考えても、新築時に防音室を作っておくほうがコストを抑えられるのです。さらに、新築工事と防音工事を並行する場合、防音工事の費用に関しても、住宅ローンに組み込むことができます。住宅ローンは、リフォームローンなどよりも金利が優遇されているため、この部分からも有利に働くのです。

上記のように、新築時に防音室を作るという選択の方が、防音工事にかかる費用を抑えられる可能性が高くなります。なお、新築住宅でも、建売住宅を購入して入居前に防音室を作ってもらうという手法の場合、「新築時に防音室を用意しておく」という扱いにはなりません。この場合、既に家が完成しているわけなので、新築だとは言え、解体工事からスタートする必要があります。つまり、あくまでもリフォーム工事という扱いになるので、注文住宅に防音室を作るという方法のメリットは得られないと考えてください。

まとめ

今回は、自宅に防音室を設置したいと考えている方に向け、防音工事の実施タイミングが変わることでどのような変化があるのかについてしょうかいしました。

記事内で紹介したように、防音室は新築工事に合わせて実行する方がより理想に近い防音室を実現しやすくコストが抑えられるというメリットが得られます。もちろん、リフォームの場合、理想の防音室ができないというわけではありませんが解体工事や廃材の処分が必要になる分、コストはリフォームの方が高くなるでしょう。

これからマイホームの新築を検討しているという方で自宅で大きな音を生じさせる可能性が高いという方は、新築工事に並行して防音工事の実施も検討するのがおすすめです。

大阪万博の防音工事 大阪万博の防音工事

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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